保育士の保護者対応!トラブルの対処方法や良い関係の築き方を解説!
2023年5月24日
保育士は子どもだけではなく、保護者との関わりも多いです。保護者とは登降園時に顔を合わせるだけではなく、連絡帳でのやり取りもあります。
しかし、具体的にどうやって保護者の方に対応したら良いのか分からない人が多いでしょう。
「子どもが怪我をした時はどうやって対応したら良いの?」
「保護者からクレームがあった時はどうする?」
など様々な疑問があると思います。ベテランであっても保護者対応は難しいものです。
今回は、保護者対応の仕方や、トラブルが起こった時の対処法を分かりやすく解説します。
保護者対応で悩んでいる方、もっと上手に保護者対応をしたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
【心構え】保護者との関わり方の基本
まずは保護者対応を行う上で、押さえておきたい基本的なポイントについて解説します。
慣れている方も、そうでない方もしっかりと確認しておきましょう。
①保護者対応は全保育士が通る道
始めに「保護者対応」は全保育士が行うものであり、保護者対応無しでは、保育士業務は務まらないと思ってください。
また、「どんなに気を付けて対応をしていたとしても、トラブルは発生する」と覚えておきましょう。
そして、トラブルが起こってもしっかりと対応し、経験を増やすことが大切です。
②困った時はすぐに園長やクラス主任に相談する
保護者に何かを聞かれた時や、トラブルが起こって対応に困った時は園長先生や、クラスリーダーに相談しましょう。「すぐに対応しないと」と思い、自分の判断で対応すると返って問題が大きくなってしまうことにもなりかねません。
もし、「どうやって対応したら良いか分からない」時には焦らず、周りの職員を頼りましょう。
保護者とトラブルになってしまう原因3選
保護者とのトラブルは、起きるものだと先ほど解説しました。では、実際にはどんな原因があるのかを見てみましょう。
原因①保育士の印象や行動
まず多いのは保育士の印象や行動、言動によるものです。
例えば「笑顔が無い」「挨拶をしても返してくれない」という保育士自身の問題で、引き起こされる場合があります。
原因②コミュニケーション不足
次に挙げられるのは「コミュニケーションが少ない」です。
保護者は日中の子どもの様子は分からないですよね。だからこそ、子どもが一日どんな姿だったか気になります。
例えば、子どもの怪我を伝えていなかったら、当然トラブルに繋がります。
しっかりとコミュニケーションを取らないと、保護者は園や保育士に不信感を抱いてしまいます。
原因③保護者と保育士の考え方や価値観の違い
最後は「保護者と保育士の考え方の違い」によるものです。
例えば、子どもが食事中に苦手な食べ物を食べたがらなかった時に、保育士は応援しながら食べられるまでそばで見守っていました。
しかし、保護者によっては「苦手な食べ物は食べなくて良い」「家で練習するから園では食べなくて良い」と言う人がいます。
このように、保護者との考え方の違いでトラブルに繋がることがあります。
おこりやすい保護者トラブルの事例と対処方法!
保護者とのトラブルには子どもが関わっていたり、園全体に対してなど様々です。
ここでは、実際に起こった事例と対処方法を一緒に解説します。
事例①こども同士のケンカ
子ども同士の喧嘩は、どの年齢にも当てはまり、難しい問題です。
特に1歳や2歳の子どもは、まだ言葉が上手く出ないので、咄嗟に手が出たり、噛んでしまったりすることがあります。
この際に、子どもの体に傷や歯形がついてしまったら、保護者にきちんと対応をしないと、トラブルになってしまいます。
対応としては、以下の通りです。
- 怪我をした子どもの保護者に事情説明をし、謝罪する
- 怪我の状態と処置の説明を行う
- 喧嘩と怪我の原因を共有し、今後の対応を伝える
被害を受けた保護者に対しては上記の対応となりますが、怪我をさせてしまった側への対応もご紹介します。
加害者の方にも「喧嘩が原因で友達に怪我をさせてしまった」と説明し、園側も謝罪をすべきではありますが、きちんと伝えるのかどうかは、園によって異なります。
そのため、園の方針に従って都度、対応しましょう。
事例②園の設備や方針
保護者の方と園の設備や方針が合わず、トラブルとなる場合があります。
例えば、「保育室内で滑って怪我をした」という場合です。
保育室の床はフローリングなので、歩行が不安定な乳児はバランスを崩して転倒することが多いです。この際、「もっと室内を安全にして欲しい」と保護者は感じます。
対策としては、「転倒しても大丈夫なように、絨毯やプレイマットを敷く」です。
しかし、室内全てに敷くことはできないため、歩行が不安定な子どもには、保育士がそばについて見守り、転倒防止に努めましょう。
次に園との方針が合わないという事例。
例えば、お昼寝の時間を充分確保している園では、「夜なかなか寝ないのでお昼寝を短くして欲しい」という要望を受けることがあります。
保育園は保育時間が長いため、午後も元気に活動するために午睡をします。
乳児では2時間程度で、幼児になると年齢と共に短くしていきます。
しかし、園でお昼寝をしすぎて、家庭で寝られなくて困っている保護者は少なくありません。この場合は、保護者に共感し、できるだけ保護者の要望に応えて、子どもに無理のないようにすることが大切です。
事例③保護者同士のコミュニティ
保育士は、保護者同士の問題に直面することもあるのです。仲の良い保護者もいれば、そうではない保護者もいます。
例えば、「ある保護者の噂話を保育士に伝えてくる」という事例。保育士なら知っていると思って、事実確認をしてくる保護者がいます。
こんな時は、噂話に耳を貸さず、会話を流しておきましょう。保育士が変に口を出してしまうと、余計トラブルになってしまい、子ども同士の仲も悪くなるかもしれません。
様々な保護者がいますので、保育士はいつでも中立の立場となることが大切ですよ。
保護者との信頼関係を構築するためのコツ3つ!
保護者と良好な関係を築くためには、具体的にどんな対応をすれば良いのかを解説します。ぜひ、実践してみてくださいね。
①保護者からの印象と言葉遣いに気を配る
保護者に好印象な保育士は以下のような人です。
- 常に明るく笑顔な人
- 元気に挨拶をしてくれる人
- 言葉遣いが丁寧な人
- 子どものことをよく見てくれている人
- 身だしなみがきちんと整っている人
上記のような保育士がいると、誰でも好印象を持ちますよね。保護者は意外と保育士を見ています。特に言葉遣いや、身だしなみには気をつけ、「この人なら安心して預けられる」と思われるような保育士を目指しましょう。
②トラブルが起きた時は口頭で事情を伝える
トラブルが起きた際は、口頭で事情を伝えましょう。
例えば子どもが怪我をした場合、連絡帳で知らせると、文面だけでは把握しきれないことが多いです。
そのため、「なぜ怪我をしたのか」「どのように処置したのか」を口頭で伝えることで、保護者は納得します。
口頭によってその場で解決することもありますので、しっかりと対応しましょう。
③こどもの様子を丁寧に伝える
子どもの様子を丁寧に伝える保育士は信頼されます。保護者は「給食残さず食べられたかな?」「何をして遊んだのかな?」「お友達と仲良くしているかな?」と気になる点が様々です。
そんな保護者の気持ちに寄り添い、些細なことでも伝えてくれると、保護者は安心します。
また、「こんなことができるようになった」と、子どもの成長を一緒に喜び合える存在がいると、保護者も嬉しいです。
まとめ
保育士として働くうえで保護者対応は誰もが行うものであり、どんなに気を付けていても、トラブルは起こってしまいます。
トラブルが起こった際は、すぐに園長や周りの職員に相談することが大切です。
原因は様々で、保育士の印象や子どもの喧嘩によって引き起こされることもあります。
トラブルを回避するためにも、日頃から保護者との信頼関係を築くことが重要です。
社会人としてのマナーを心がけ、子どもの成長を保護者と一緒に喜び合える保育士を目指しましょう。