保育士試験の難易度は?合格率や試験内容などを解説!
2023年5月24日
試験合格率が例年20%前後の保育士資格。
「保育士の試験ってどんな問題が出題されるの?」
「保育士試験ってどれくらい難しいの?」
「保育士試験の受験資格って具体的にどういうの?」
と保育士試験の難易度や内容に対して疑問を抱いているのではないでしょうか。
ここでは、出題科目、受験資格、そして合格するための勉強方法など、保育士試験について解説しています。
保育士試験合格は、保育士として働きたい人には避けては通れない道なので、試験の概要をしっかりおさえて対策しましょう。
保育士試験の合格率は25~30%
2023年度は66,625人が受験し、17,955人が合格(合格率26.9%)
出典:保育士試験の実施状況(令和5年度)
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/60c97cf1/20240705_policies_hoiku_115.pdf
筆記試験には科目が9つあり、その全ての科目で6割以上得点しないと合格することができません。
実技試験の合格率は例年80%を超えているため、筆記試験の対策が合格に繋がります。
保育士試験は2種類ある!
保育士試験には、通常の保育士試験と2015年から新たに設けられた地域限定保育士試験の2種類あります。
通常の保育士試験
保育士試験とは、児童福祉法に基づいた国家資格「保育士資格」を取得するための試験です。
保育士試験は筆記試験と実技試験があり、この両方の試験に合格することが保育士の資格を獲得するための条件となります。
筆記試験は4月と10月頃、実技試験は7月と12月頃に行われており、それぞれ前期と後期の年2回実施されています。
地域限定保育士試験
地域限定保育士試験とは、2015年に新しく創設された試験制度です。
最初の3年間は試験に合格した自治体でしか働けないという条件はありますが、試験内容は通常の保育試験と違いはありません。
実施する自治体は年度ごとに変わるので、受験したいと思っている方は実施要項を確認しましょう。
保育士試験の出題科目
保育士試験には筆記試験と実技試験の2種類あります。
筆記試験は全8科目あり、1科目につき20問の問題が出題されます。一方、実技試験や3分野のうち2分野を選択して受験します。
筆記試験の出題科目
- 保育原理
- 教育原理および社会的養護
- 子ども家庭福祉
- 社会福祉
- 保育の心理学
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育実習理論
実技試験の出題科目
- 音楽に関する技術
- 造形に関する技術
- 言語に関する技術
最終学歴別の受験資格
保育士試験の受験資格は最終学歴ごとに変わってきます。
学歴によって、児童の保護に従事した勤務経験があるかないかなど細かく決められているので、自分の受験資格をしっかり確認しましょう。
大卒・短大卒の受験資格
学校教育法に基づいた大学であれば、保育士とは関係のない学部・学科でも受験することができます。
また、大学在学中に受験する場合は、「2年以上の在学」と「62単位以上修得済み」が受験資格となります。これは中退の場合も同様で、基準の在学年数と単位数を満たすことが条件となっています。
専門学校卒の受験資格
まず卒業した学校が、「学校教育法に基づいた専修学校であること」と「卒業した課程が修業年限2年以上の専門課程であること」を満たしているかを確認してください。
2つの条件を満たした学校を卒業していれば、保育士と関係のない学科でも受験することはできます。
しかし、1点でも満たされていなかった場合は高校の卒業年月日によって、受験資格の有無が変わります。
「平成3年3月31日以前」または「保育科なら平成8年3月31日以前」を満たしていれば受験資格があります。条件に該当しない人は、こちらを確認して受験資格があるかどうかをチェックしましょう。
高卒の受験資格
高校の卒業年月日が平成3年3月31日以前であれば、受験することができます。
それ以外の場合ですと、卒業した科や児童の保護に従事した勤務経験など細かく条件が決められています。詳しく知りたい方は、こちらで確認してください。
中卒の受験資格
中卒の場合は、「5年以上かつ7200時間以上の児童等の保護または援助に従事した勤務経験」が受験資格の基準となります。
【2023年度版】保育士試験の概要
2023年度(令和5年度)の保育士試験の日程や受験料、受付期間などをまとめています。
試験の日程
筆記試験の日程
- 前期試験
- 2023年4月22日(土)
- 2023年4月23日(日)
- 後期試験
- 2023年10月21日(土)
- 2023年10月22日(日)
実技試験の日程
- 前期試験
- 2023年7月2日(日)
- 後期試験
- 2023年12月10日(日)
筆記試験は4科目ずつ2日間で行われ、1科目1時間の試験時間となっています。約1ヶ月後に合格通知が届き、筆記試験に合格した人には実技試験の受験票が同封されています。
受験料
12,950円
(内訳:受験手数料12,700+受験申請の手引き郵送料250円)
会場
保育士試験の実施会場は、受験票が送られる際に決められます。
出願時に受験する都道府県を選択して、選択した都道府県の学校や施設などの会場で受験します。
受付期間
- 前期:2023年1月17日(火)~2023年2月6日(月)(郵送の場合当日消印有効)
- 後期:現時点では未定(昨年度は7月5日~7月26日)
受験の申請方法はオンラインと郵送の2種類あります。オンラインは費用や時間をおさえられるので、おすすめです。
合格基準
筆記試験は、全8科目を100点満点中60点とれば合格することができます。また実技試験は、3科目のうち2科目選択し、その2科目を100点満点中60点とれば合格できます。
保育士試験の勉強方法3つ
保育士試験の勉強方法は、「通信講座」「通学講座」「独学」の3種類があります。
勉強に充てられる時間や費用を踏まえて、自分にあった勉強方法を選びましょう。
①通信講座
仕事や家事・育児で時間があまり取れない人に、通信講座で勉強するのがおすすめです。
合格者が圧倒的に多く質の高い講座を受けられる「ユーキャン」や不合格なら受講費用が返却される「キャリカレ」など、サービスによって料金や特徴が違うので、自分にあった通信講座を受けましょう。
②通学講座
「自分で学習スケジュールを立てるのが苦手」「実技試験の対策をしっかり行いたい」と思っている人は、通学制の保育士講座を受けるのがおすすめです。
受講料や交通費がかかってしまいますが、最新の情報が手に入れられたり、他の受講生から刺激をもらえたりと、通学講座ならではのメリットが沢山あります。
③独学
勉強の費用をおさえたい人は、市販の参考書だけで勉強するのもいいでしょう。
受験日までの学習計画や実技試験の対策などを自分ひとりで行える人は独学でも問題はないですが、自己管理ができない人だと挫折してしまう可能性が高いです。
保育士試験の勉強を初めてやる人は、まず通信講座を受けることをおすすめします。
保育士試験に合格するためのポイント
保育士試験の合格率は例年20%前後なので、試験に合格することは簡単なことではありません。
これから紹介する3つのポイントをおさえて、保育士試験の勉強をしていきましょう。
最新版の教材・テキストを使う
教材やテキストは必ず最新版を使いましょう。出題科目のなかには、法改正の関係で出題範囲や内容がかわる科目があります。特に「社会福祉」「子ども家庭福祉」「保育原理」「教育原理および社会的養護」の4つは、出題範囲が変わりやすい科目です。最新版のテキストを使うのはもちろんですが、ニュースや新聞などから最新の情報を集めることも大切です。
実技試験は得意分野を中心に対策する
実技試験は3分野の中から2分野を選択して受験します。楽器や歌が得意なら「音楽に関する技術」、絵や工作が得意なら「造形に関する技術」、教えることや話すことが得意なら「言語に関する技術」と、自分の得意分野にあわせて受験分野を選びましょう。
筆記試験は計画的に勉強する
筆記試験は全8科目あり、合格するためには全科目を100点満点中60点以上得点しなければなりません。そのため、筆記試験に合格するためには綿密な学習計画を立てることが重要になってきます。
苦手な科目は何か、受験日までに対策するためにはどういうスケジュールで行うのかなどと、勉強を始める前にしっかりと学習計画を立ててから進めましょう。
まとめ
今回は、保育士試験の難易度や試験内容について解説しました。
保育士試験は合格率が20%と難しい国家資格試験ではありますが、今回紹介したコツを活用することで合格に近づけられると思います。
まずは試験の日程を把握し、そこから逆算して筆記試験の勉強の計画を立てましょう。次に通信講座や通学講座を受けるのか、独学で勉強するのか、自分にあった勉強方法を見つけ、試験当日まで勉強しましょう。
努力は必ず報われるので、諦めず最後まで頑張ってください!